AwView活用事例
青森県産業技術センター 下北ブランド研究所 様

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AwView 活用事例インタビュー

活用事例青森県産業技術センター 下北ブランド研究所 様

導入事例 青森県産業技術センター 下北ブランド研究所 様

地方独立行政法人 青森県産業技術センター 下北ブランド研究所(https://www.aomori-itc.or.jp/soshiki/syoku_simokita/)

青森県産業技術センターは、工業・農林・水産・食品加工の4部門13研究所からなる、幅広い農工連携を目指す、地域に根ざした研究機関です。食品加工部門の研究所である下北ブランド研究所は、農産物と水産物の両方を扱っているのが特徴で、農林水産物の加工技術の開発と品質や成分特性の研究を行っています。地域資源の強みを把握し、事業者等と一体となって、商品づくりや商品力の向上に取り組んでいます。

※本内容は2025年2月時点の情報に基づいています。

研究開発部 研究開発部長 清野 貴将 様

インタビューを受けてくださった方

  • 研究開発部 研究開発部長 清野 貴将 様

下北ブランド研究所について

ー まずは下北ブランド研究所では、どのようなことをされているのか、教えてください。

清野様 : 下北ブランド研究所は青森県の下北地域にありまして、主にこの地域の農林水産物に関する成分分析や、水産物については、鮮度保持技術の開発なども行っています。また、それとは別に地元の農林水産物を用いて、私たち自身で加工食品を開発して、その加工食品を普及する取り組みまで行っております。それに伴い、新規に製品開発したいという地元の方々への製造指導も行っています。

ー 清野様はどのような業務を担当されていますか。

清野様 : 私自身は、主に製造指導の業務を担当することが多いです。地域の方々が考えた加工品を、このように製造してはどうかと提案するような業務になります。

ー どのような方々へ指導されてきましたか。

清野様 : 私たちに相談されるのは、農業者や漁業者のような一次産業に携わる人が多いです。自分たちの農作物や水産物を使って加工品を作りたいということで、初めての方は、干物、乾燥野菜、ドライフルーツのような乾燥品の相談が多いです。

清野様は主に製造指導の業務を担当

清野様は主に製造指導の業務を担当

スモークサーモン(左)とイチゴセミドライフルーツ(右)

スモークサーモン(左)とイチゴセミドライフルーツ(右)

水分活性測定の重要性について

ー それでは、水分活性測定の重要性について教えてください。

清野様 : やはり水分活性というのは、微生物の制御をする上で重要な指標だと思っています。製造指導において、常温で流通する加工食品を製造したいという希望は多いので、食の安全の観点では気にすべき点です。

 もし水分活性の値が分からないまま製造すると、適切な殺菌温度が判断できずに、不十分な殺菌のまま製造を進めてしまうことや、逆に水分活性の値が低く、それほど殺菌する必要がないにもかかわらず、過剰な加熱をしてしまい、結果として無駄に食味を失ってしまうことも考えられます。

 そのため美味しく長持ちする加工食品を製造する上では、水分活性の値をきちんと把握しておくことは重要だと考えています。

ー どれくらいの水分活性の数値が望ましいのでしょうか。

清野様 : もちろん加工品によって大きく違いますが、基本的には0.8Awを下回ってほしいです。このあたりが、カビが発生するかどうかの境目になりますので、どうしても0.8Awを下回れない場合は、脱酸素剤などでカビを抑えるしかなくなります。仮に0.9Awを超えるような場合は、包装方法だけではどうにもならないです。

 しかし実際につくっている人たちに、水分活性についての知見がないと、製造して何も確認しないまま終わりとなってしまうので、この点の指導は重要だと思っています。

現場での製造指導について

ー 現場での製造指導について、ひとつ事例をご紹介いただけますか。

清野様 : 最近の例では、干し芋を切った状態ではなく、1本丸ごと干したものを持ってこられて、十分に乾燥させたつもりなのですがどうですか、とご相談された方がいました。実際には乾燥が不十分だったのですが、乾燥させすぎても、固くなって美味しくなくなると思いますので、乾燥具合の判断の目安として、水分活性の測定を指導しました。

 実は近年、干し芋に関する相談が増えています。昔はそれほど青森県でサツマイモが作れなかったのですが、地球温暖化が進むにつれて、下北地域でもサツマイモが取れるようになりました。それにともなって、干し芋をつくりたいという人が増えているのだと思います。ただ昔から扱っている農作物ではないので、まだ製造のノウハウがないところに、私たちが指導を行っているような状況です。

 どうしても自分の感覚に頼って製造してしまう方もいますので、まだまだ指導が必要だと考えています。

AwViewを用いた干し芋の製造指導の様子

AwViewを用いた干し芋の製造指導の様子

AwViewを導入された経緯について

ー AwViewを導入された経緯について教えてください。

清野様 : 定期購読している研究雑誌の広告でAwViewを見て、初めてこの測定器を知りました。AwViewは小型で操作も簡単そうだと思い調べてみると、価格もこれまでの機種よりかなり安価だということが分かりました。

 私自身、水分活性というものを普及させたいと、日頃から心がけていますが、現場に持って行って、実際に測定を見せることができるという持ち運びやすさは、製品選定において重要なポイントでした。すでに所有している機器もありましたが、据え置き型の古い機種で、現場への持ち運びは不可能でした。しかしAwViewであれば、現場に持ち込んで製造指導ができると考え、製品を知ってから1か月程度の期間で購入を決定しました。

 これまで水分活性の測定器は金額面のハードルが高く、大きい企業でない限り、なかなか導入できない状況でしたが、この製品であれば、生産者の方々も導入がしやすいと考えています。

今回導入された水分活性測定器「AwView」

今回導入された水分活性測定器「AwView」

AwViewの活用状況について

ー 現在のAwViewの活用状況について教えてください。

清野様 : だいたい週に1~2回は製造指導における現場測定、および研究所内での測定に使用しています。私たち自身も加工品の開発を行いますが、その際にテスト段階の製品を複数用意して、AwViewでの測定を行い、乾燥時間の調整や味付けの判断を行っています。

 実際に使用してみると、操作が分かりやすく簡単で、かつ測定時間が10分で済むことも評価しています。以前の機種は測定する30分ほどかかっていたので、測定時間の短縮になりました。

今後の取り組みについて

ー 最後に、今後の取り組みや、HACCPや水分活性に関わる測定器やメーカーに期待することがあれば、是非お話ください。

清野様 : 一次産業の方が、六次産業化というかたちで、加工品をつくる時に、製造許可を取りやすい乾燥品が、選択肢として一番多くなります。ただ気軽に始められるが故に、食品衛生に対して軽く考えてしまう方もいます。そこで安全性を確保するという目的で水分活性を測定する重要性を広く普及させたいと思っています。

 今後は生産者自身が、こうした水分活性の測定器を持つような流れになることを期待しています。実際に製造したものを測って、水分活性の数値が安全なレベルなのか確認するようになってほしいです。

 実際、温度計やpH計は手ごろな金額で導入できますが、これまでの水分活性測定器は値段が高いものばかりで、それが水分活性というものが世間に知られていない要因だったのではないかと考えていました。また測定しやすさも、水分活性というものを身近なものにしていくために必要です。

 今後も各メーカーの皆様には、そういった機種を考えていただければと思います。

※本内容は2025年2月時点の情報に基づいています。